G ガチで、T とんでもない、E エピソード。 GTEで本当に起きたことを四コマにしました。

第3回 たくさん失敗ができる場所

2026年10月27日 10:15

GTEでは、生徒たちにたくさん失敗してほしい!

私は、そう思ってGTEサマースクールプログラムを10年間企画してきました。

 

もちろん、最終日のプレゼンテーション発表会では、生徒全員が発表を成功させたいと思っています。

自分たちのアイデアを評価してもらいたいし、できれば賞も取りたい!

私たち運営側も、生徒全員に「うまくいった」と思ってもらいたいです。


私は、GTEサマースクール実施中に生徒たちをずっと見守っていますが、

想定外のことがいろいろなことが起きます。

アイデアが出てこなくて、チーム全員が黙ってしまう。英語や日本語で、

言いたいことが言えなくてイライラする。意見が合わない。話が進まない。

逃げたいけれど、逃げるところもなく困っている生徒もいます。

 

そんなとき、講師や大学生メンターは、すぐには手を差し伸べないようにしています。

その「困っている時間」が、GTEではとても大切だからです。

 

講師や大学生メンターが横から「こうしたら?」と言えば、チームの話し合いは早く進みます。

意見がぶつかっている人たちの間に入って、「じゃあ、こうしましょう」とまとめれば、

チームの雰囲気も良くなると思います。

 

でも、私たちはグッと見守り続けます。

ここは、生徒たちが失敗できるところだからです。

 

うまく伝えられなかった。相手の意見を聞けなかった。自分のアイデアにこだわりすぎた。

議論し切れずに妥協して決めてしまった。時間配分を間違えた。もっと早く準備しておけばよかった...

GTEでは、こういう小さな失敗が次々と起こります。

 

ここです!

プログラムを終えた生徒に、後からこのときのことを聞いたことがあります。振り返ってみれば

小さな失敗だった。でも、その場ではとても大きな失敗に感じたと言います。

 

そうだと思います。

チームの中で自分の意見が通らない。みんなの前では英語が思うように話せない。

昨日までうまくいっていたメンバーとの関係がギクシャクしたりと、生徒たちにとって、

その瞬間は結構な大事件です。

 

すると、しばらくして生徒たちは自分たちで動き始めます。

さっきまで黙っていた生徒が突然ホワイトボードの前に立って、

「一回、みんなの意見を書き出してみようか」と言い出す。

うまく説明できなかった生徒が、紙に絵を描き始める。

完全に行き詰まっていたチームが、一緒に夕食を食べて戻ってきたら、

何事もなかったようにまた話し合っています。あんなにもめていたのに、

もう何もなかったかのように話してるのです。こちらが拍子抜けします。

10年間GTEをやってきて、生徒たちは私たちが思っているよりずっとたくましい、

と感じています。

困ったら、自分たちなりに何とかする。うまくいかなければ、違う方法を試す。

少し時間を置いて、また話してみます。

 

GTEで講師や大学生メンターがやることは、すぐに何かしらの解決策を伝える

ことではなく、生徒たちが自分で何とかするまで待てる環境をつくることなのだと思います。

 

もちろん、本当に助けが必要なときには助けます。

でも、困っていることと、助けが必要なことは違います。

この違いは、10年間生徒たちを見てきて、私自身が学んだことでもあります。

 

GTEでは、失敗しても大丈夫です。

アイデアがボツになったら、もう一度考えれば良いのです。英語が出てこなければ、

違う言い方を探せば良いのです。チームメンバーとぶつかったら、

次はどう伝えるかを考えれば良いのです。

 

そして、GTEで失敗できることで良いことは、チームは途中で変えられないということです。

ゲームのようにリセットして、メンバーを組み直すことはできません。「この人とは合わないので、

別のグループに行きます」もありません。逃げ出したいけど、目の前にいるメンバーと、

もう一度やってみる他ないのです。

 

昨日うまく伝えられなかったなら、今日は違う方法で伝えてみるのです。自分の意見を

押し通してうまくいかなかったなら、今日は相手の話を聞いてみるのです。

それでもうまくいかなかったら、また考えるのです。そうやって何度も失敗して、

何度もやり直してチームは自分たちで結束させて行くことを学ぶのです。

 

だから私は、最終日のプレゼンテーションを見ながら、発表の出来栄えと一緒に、

その後ろにある数日間を思い返します。

「あのチーム、初日は全然話してなかったな」

「あの二人、昨日まで意見が合わなかったのにな」

「あのアイデア、最初の案と全然違うものになったな」

賞を取るチームもあれば、取れないチームもあります。

私は、「思った通りにいかなかった」という経験も、

できるだけたくさん持って帰ってほしいと思っています。

生徒の今なら、たくさん失敗できます。

英語で間違える。アイデアが評価されない。チームで意見がぶつかる。

自分のやり方ではうまくいかないと気づく。だったら、もう一回やってみればいい。

 

失敗して、困って、考えて、またやってみる。

そして、また失敗する。

GTEは、そんなことを何度でもできる場所です。

 

GTEでは、ぜひ答えがない世界で、AIと共存していく事になった私たちに

必要な力を身につけてもらいたいです。


(書き手:能登)